帰る場所

先日、前の職場に最後の挨拶に行った。
私と同時に異動していった５人のメンバーも同じくその場に集った。

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とても小さな職場だった。
でも仕事量は半端じゃなく多かった。

私は若くしていくつもの「主任」の肩書きを背負い、多くの仕事を一人で抱えてきた。
それを辛いと思い、また、重いと思った。

それに、一番思ったのは、私が誰か「主任」のもとで働き、もっと仕事の技術を磨きたいと心底思っていた。
このまま一人きりでがんばっても、なんら技術が磨けないのは分かっていた。
一人では、自己満足の世界。誰かもうちょっと大人な人間がいて、その人に私の仕事ぶりを見てもらってこそ、私の腕も磨けるのだと思う。

転勤は必然だったと思う。
本来なら、若者の転勤は御法度。
命令されて飛ばされることはあっても、自分から異動願いを出すのは不可の業界だった。

でも、私の転勤への意志があまりにも強かったため、運命なのか、私の異動願いはあっさり通ってしまった。

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最後の挨拶のため、ボスの部屋に行って、いろいろ話をした。
今私が置かれている状況を話し、それでもがんばるしかない、と語った。
ボスに頼み込んで異動させてもらった身。
ボスは私をとてもかわいがってくれていたので、本当は私を手放したくなかったのだとか。
そうなのだろうと思う。
ちょうど私はボスの娘さんと同じくらいの年ごろ。自分の娘のように思っていたらしい。

ボスは最後に
「いつでもここに遊びにきていいから。辛くなったら遊びにおいで。」
と言った。

「ありがとうございます。
でも、ボスもあと１年でご退職されるんですよね。
それに、私のお世話になった先輩方も、皆転勤していってしまいました。
もう私の帰る場所はない気がします。」

私はそう答えた。

そう。もう帰れない。
小さな職場。入れ替わりが激しく、お世話になった人たちもどんどんいなくなってしまった。
来年には私の知らない人ばっかりになっているだろう。

受け入れるしかない運命。
私は私の意志で歩き出したのだから、受け入れるしかない。
ときどき愚痴るけど、これが私の道なのだろうと思う。

コメント 2

過ぎた過去に興味は無い、過去も未来も無い、ただ今という一瞬を生きるだけ～武蔵も、帰る場所など無い、修羅道を１人で生き～残りの人生を桜の如く咲き見事に散ってみせます！！(/_;)　

　はづきさんの選んだ道に幸と栄光あれ～逆境＆自分に負けるな！！。
by 武蔵 (2007-04-14 22:42) 

>武蔵さん
私も今を生きるだけです。ただ今を生きるだけ。
武蔵さん、咲き散るにはまだ早いですよ。武蔵さんの勇姿、まだまだこれからです！いつも応援していますよ。

私の人生は獣道みたいなものです。曲がりくねって邪魔者ばかりで、ほんと、歩きにくいったらありゃしない。
ただいま、休憩できる山小屋を探し中でございます。
m(_ _)m
by はづき (2007-04-15 23:38)